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せんなが辛いワケ・「まっつりのごっつお」の事
五箇山では、いままさに「春まつり」シーズンである。
家々の邪気を払い、福をよび込む獅子舞は、男たちの仕事。
親から子、孫へと代々受け継がれる。稽古は真剣そのもの、女は立ち入る事のできない世界といえよう。
私は、「女」であるため、ほんっとに残念だったが、獅子舞をさせてもらえなかった。
しかし、獅子舞が「動く華」なら、「静かな華」である「祭りの御馳走」を、母親やばあちゃんから教わった。
今ではとりあえずーの、やっとかっとーではあるが、毎年同じことをなんでせんなんが、と思う反面、楽しみながら「せんな」や「カイブシ」、「煮しめ」に「ゆびす」などをこしらえる。
ところが嫁に来て「せんな」(葉わさび・山葵菜)をこしらえる時に、一度練習してみたのだが、どうしてもあの涙を呼ぶ「ツーん」とした辛さが出なかった。
作り方はこうだ。刻んだ生のわさび菜をザルにあけ、熱湯をジャバジャバとかけて、ざばざばとザルの上で振る、混ぜる。
それを瓶に詰め、密封して冷蔵庫で一晩おいて出来上がり・・・(の、はず。)
そこで、実家近くの料理名人といわれるおばちゃんに、電話で聞いてみた。
「ねーねえ、せんなって、どうしたらカロ(辛く)なる?」
返ってきた答えは、こうであった。
「わえ、そーりゃ、まだまだ姑とケンカが足らんがか、しぇーの揉みようが足らんがじゃわ」
訳:あなたそれはね、まだまだお姑さんとケンカして頭にきたり、気を揉んだりする事がないわけね。(甘やかされてるのかな?)それぐらいのことしないと辛くはならないわよ。
・・・そうなんだ、そうなのか。
とにかく当たりちらすように振ればよいのか。
「一瞬で」そう理解した私は、次の年、とにかく精一杯、日頃の感謝をあらん限りの腕の振りに代えて、センナの入ったざるを振った。
その年の祭で、泣く子もだまる辛いセンナが粗宴を飾った事は言うまでもない、というより、ひとくち食べたとある人は、こうのたまった。
「わい、よっっぽど根性悪いがいなー(泣)」
・ ・・かもてくりゃるな。
文章:@ゆっけ
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